弘前公園には、1羽のコブハクチョウが住み着いています。

クチバシの上付け根、天狗の鼻のようなコブがあるので、コブハクチョウです。
コブは雌雄ともにあるため、見分けがつきにくいそうです。
弘前公園のコブハクチョウも、雌雄どちらかは不明です。
コブハクチョウは、本来渡り鳥です。
昔、公園管理者が痛めた羽根を治療してあげたところ、居着いてしまったそうです。
もう、飛べないのかも知れません。
家族ができたこともあるそうですが、私の知る限りでは、とても長い間1羽だけで過ごしています。
デンマークでは、国鳥に指定されています。
デンマークの童話作家、アンデルセンの「
みにくいアヒルの子 」の白鳥は、コブハクチョウのようです。
アンデルセン作品最初の挿絵画家、ヴィルヘルム・ペダーセンが描いた
挿絵の白鳥 には、クチバシの上に特徴的なコブが描かれています。
こちらの画像は、パブリックドメインです。

コブハクチョウの寿命は、30年くらいと言われているようです。
長い間ここにいる彼は、何歳なのでしょうか。
彼は元気なのでしょうか。
昨年春に見かけたきり、会っていません。
彼は中濠をテリトリーにしているはずです。

12月2日朝、コブハクチョウに会うため、弘前公園に訪れました。
市民会館内、弘前市出身の洋画家、佐野ぬいさんのステンドグラス作品「青の時間」の前からスタートです。

杉の大橋です。

中濠のこの辺りでよく見かけますが、発見できませんでした。
カルガモしかいません。

探し歩きます。
南内門です。

南内門の中から覗く、真っ赤なカエデ。
まるで額に収められた絵のようです。

南内門の近くには、ハートの桜があります。

現在は葉も落ちて寂しい状態です。
でも、枯れてはいません。

昭和天皇が自ら車を降りられ、歩いて渡られた下乗橋です。
母の叔父が近衛兵だったそうですが、爪の垢を煎じて飲みたいです、私。

修理中の石垣です。
まだまだかかりそうですね。

本丸の天守と岩木山です。
この天守は、5層6階の天守が落雷による火事で焼失したため、1810年に建てられた二代目です。

本丸から望む岩木山です。

この雪は根雪になるでしょう。

大正天皇が皇太子時代に御手植えされたクロマツです。

北の郭、館神跡から眺める内濠です。
この辺りではサギを見かけます。
館神では、徳川時代の長い間、秀吉公の座像が隠し祀られていました。

コブハクチョウはどこにいるのでしょうか。

北の郭の中濠です。
いません。

三の丸、ピクニック広場の横です。

四阿の横の中濠です。

一面の赤です。
いませんね。

城内唯一の石橋です。

石橋の近くには、東内門があります。
東内門のそば、写真左の木は、1882年に植樹された、現存する中では日本最古のソメイヨシノです。

石橋に戻ります。
今日は会えないのでしょうか。

石橋から眺める中濠、植物園方面。

いました。
ハクチョウです。

近づいて来ます。

クチバシの上にコブ。
探していたコブハクチョウで間違いありません。

まっすぐこちらに向かってきます。

目の前に。
Saluton.
とりあえず、エスペラント語で挨拶しました。
残念ながらあとの単語は知りません。

どうやらここにエサ箱があったようです。
私には目もくれず、夢中で食べています。

やっと落ち着いたようです。
顔を見ると、やはり雄のような気がします。

私は彼を「我王 (がおう) 」と呼んでいます。
手塚治虫さんの傑作マンガ、
火の鳥鳳凰編 の主人公です。
盗賊から僧侶になった、隻眼隻腕の仏師、我王。
過去に犯した罪の報いでもう一方の腕も失いますが、彼は口にノミをくわえて生涯仏像を彫り続けます。

互いに生きていたら、また会いましょう。

2020年1月5日朝、命が尽きた状態で警備員に発見されたそうです。
推定年齢は40歳。
安らかに。
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