大森勝山遺跡 2022 Omori Katsuyama Stone Circle

2021年にユネスコの世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」のひとつ、大森勝山遺跡です。
☞ UNESCO World Heritage Centre　[Jomon Prehistoric Sites in Northern Japan]



場所はこちらです。
弘前ハイヤー協会では、2022年11月30日まで「縄文特別割引タクシーキャンペーン」が行われています。
弘前駅と大森勝山遺跡の往復が半額で利用できるようです。
☞ 弘前観光コンベンション協会 「縄文特別割引タクシーキャンペーン」



この辺りから望む岩木山の形は、恐山の近くにある釜臥山とどこか似ています。



大森勝山遺跡の入り口です。
前回、2016年に訪れた時は、質素な標柱ひとつでしたが、これなら見落としませんね。
整備が進み、遺跡の様子もかなり変わりました。
今回の記事は、前回の記事と比べながらご覧になると、より楽しめると思います。
☞ 当ブログ記事 「大森勝山遺跡 (2016年) 」



道路が新設されていました。
まだ仮設らしく、道幅が狭いです。
車がすれ違うための待避所がいくつもありました。
農作業の車も通るので、譲り合いましょう。



道路左側、北東方向には、きれいな円錐形の大森山が見えました。
大森山の向こうは、津軽平野です。
大森山の左に見える白いドームは、五所川原市のつがる克雪ドームです。



駐車場です。



ガイドスタッフの待機所と仮設トイレが設置されています。
残念ながら、トイレはバリアフリーではありませんでした。



案内板があります。



大森勝山遺跡の環状列石は、約3000年前に作られたものです。
他の環状列石、
北海道森町の鷲ノ木遺跡、
青森市の小牧野遺跡、
秋田県鹿角市の大湯環状列石、
秋田県北秋田市の伊勢堂岱遺跡、
これらの環状列石は、すべて約4000年前に作られているようです。
大森勝山遺跡だけ1000年ほど新しいのは、なぜなんでしょうか。



世界文化遺産登録後に作られた案内板です。



こちらのシンボルマークは、北海道と北東北の地図を土器のような形に図案化したものです。
良く出来ています。



環状列石が何のために作られたのかは、はっきりとはわからないようです。
どのような目的で祭祀が行われていたのでしょうね。



手作業で斜面を平らに整地して、多くの石を運ぶ。
その大仕事をやらなければならなかった理由と、その場所でなければならなかった理由があるはずです。
聖地として崇められていた場所だったとしたら、なぜ捨てられて遺跡となってしまったのでしょうか。
遺跡内部に入ると、何かを感じ取れるかも知れません。



ガイドの方が案内をしてくださるそうなので、お願いしました。
これはうれしいです。
所要時間は60分程度です。
通常は事前予約が必要のようです。
☞ 大森勝山縄文遺跡ガイドの会 公式サイト



歩道が舗装されていました。
ベビーカーも問題なく通れそうです。
傾斜があるので、車椅子は介助が必要です。
左の道はスロープ、直進は階段です。
左に進みます。



大森勝山遺跡に到着です。



人工物がほとんど見えません。
私は今、縄文人と同じ景色を眺めています。



冬至には、岩木山山頂に沈む夕日が見られるそうです。



本物の遺跡と同じ場所に、環状列石が再現されています。



環状列石は、長径48.5m、短径39.1mの楕円形です。



1200個の石材で77基の組石が作られているそうです。



再現されたものなので、円の中に入って石に触ることが出来ます。



元の環状列石と同じ石質、ほぼ同じ色と形の石で再現されているそうです。



組石には、違う色の石が混じっています。



これらは、他の場所から持ち込まれたそうです。



鰺ヶ沢町の赤石川と弘前市湯口の栩内川です。
どちらもかなり離れています。
環状列石の石は、奉納品だったのかも知れませんね。



環状列石の円の中に、ぽつんとひとつだけある組石です。
この配置にも意味があったのかも知れません。



250個見つかっている、直径10cmほどの円盤状石製品です。
用途は不明だそうです。
賽の河原のように積み上げて塔を作ったのでは、と私は感じました。



奥に進みます。
現在は草刈機できれいに除草されていますが、当時はどうやって草を処理したのでしょう。
常に草刈りをしないと、環状列石も藪に埋もれてしまうと思うのですが。



大森勝山遺跡にひとつだけある、お墓のようなものです。



酸性土壌によって形が失われてしまい、人だったのか、生け贄にされた動物だったのか、何が埋められていたのかわからないそうです。



大型竪穴建物跡です。



生活していた痕跡が見つかっていないので、集会場として使われていたようです。



建物中央にある炉です。



全部で3基ある、屋外炉です。



何に使われていたのかは、わからないようです。
夜間の照明として使われたのでは、と私は感じました。



大森勝山遺跡が祭祀場として使われていた3000年前、岩木山の山頂ではマグマ噴火が起こっていたようです。
夜は、山頂が赤く光っていたのではないでしょうか。
月の明かりと炉の火に鈍く照らされた環状列石。
見上げると、暗闇に浮かび上がる、神のごとく巨大な赤く光る山。
恐ろしく、美しい景色だったのではないでしょうか。
☞ 気象庁 日本活火山総覧 (第4版) Web掲載版



ガイドの方の案内は、とてもわかりやすく、楽しいものでした。
現地に行く際は、ご利用をおすすめします。
時間に余裕を持って訪れましょう。



施設に対する要望があります。
途中休憩できるベンチのようなものがあると、助かります。
足腰が丈夫な人ばかりではありませんから。
丸太を加工したような形なら、景観に影響は少ないと思います。
貸し車椅子があると、より親切です。
オリジナルグッズの販売があると、他の地域から来た方は喜ばれると思います。


次は、イベントに合わせて訪れたいと思います。



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