沢田神明宮ろうそく奉納
- 2023/02/07
- 01:32
2023年2月5日、450年以上続くとされる神事が、粛然と執り行われました。

場所はこちら、平家の隠れ里とも云われている、弘前市沢田の沢田神明宮です。
沢田ろうそくまつりは今年も中止になりましたが、個人のろうそく奉納は例年通り行われました。
奇祭とも称される、沢田ろうそくまつりの内容です。
旧暦の小正月 (1月15日) に行われます。
断崖中腹の洞窟にある拝殿、岩谷堂 (岩屋堂とも) の壁面に、参拝者がそれぞれ願いを込めて火を灯したろうそくを奉納します。
また、そのろうの垂れ具合で農作物の豊凶を占います。
平家の霊を供養するために始められた、とも伝えられているようです。
当日は現地でろうそくが販売されているので、雪の階段を上れる方なら誰でも奉納が可能です。
来年2024年の小正月、開催日は、2月24日です。
青森県神社庁に記載されている、沢田神明宮由緒です。
☞ 青森県神社庁 神明宮菅江真澄 (1754~1829年) の紀行 「都介路廼遠地 (つがろのおち)」にも、 いつの時代に祀られたものか分からないとあり、 その起源は不明である。
旧藩時代より当時、当地を小倉村と呼び、小倉の神明様と呼称されていた。
明治維新の当時、 氏子数が少なくなり、 藤沢村の藤沢神社 (今の野田神社) へ合祀されるが、 村民の敬神の念が篤く、 昭和二十年大戦終了後に神社制度の改正の期を捉えて昭和二十二年四月十七日宗教法人令に基き、 宗教法人神明宮として復活し、 現野田神社より御神体をお迎えして奉祀する。
特に神明宮の 「ろうそく祭」 は、 旧小正月十五日晩の行事として行われ、 沢田部落の各家庭では売っている最大級のろうそくを準備して社殿のほら穴に灯し、 家内安全、 五穀の豊作を祈願するもので雪の奥山の岩屋堂に灯りがゆらめくさまは神秘あふれている。
文中にある菅江真澄 (すがえますみ) は、江戸時代後期の紀行家で、多くの旅行記を残しています。
沢田地区には、寛政8年 (1796年) に訪れています。
旅行記「真澄遊覧記」の写本が、国立公文書館デジタルアーカイブで公開されています。
津軽地方について記されているのは、11巻から15巻まで。
沢田地区が記されているのは、12巻です。
☞ 国立公文書館デジタルアーカイブ 真澄遊覧記
菅江真澄も歩いたであろう、作沢川沿いの道を進みます。

沢田集落の手前、左側に岩谷不動尊が見えてきました。

雪に埋もれてさっぱりわかりませんね。

こちらは、以前訪れた時の写真です。

この辺りの道は昔、目屋の尾太 (おっぷ) 鉱山と弘前城下を結ぶ重要な街道だったようです。
明和8年 (1771年) に竹内勘六 (金華渓秀山) によって著された尾太鉱山の事典「山機録」には、小倉街道と記載されています。
☞ 新日本古典籍総合データベース 山機録

三上兵助が寄進した石灯籠です。
まったく同じ物が、尾太岳の山頂にも置かれているそうです。

沢田集落の向こう、相馬ダムのさらに奥には、かつて舟打鉱山がありました。
最盛期の昭和初期には、約1000人が住んでいたそうです。
昭和37年の閉山後、舟打集落は消滅してしまいました。
舟打集落は、俳優の鈴木正幸さんの故郷です。

沢田集落です。
現在、人が住んでいる住宅は、6戸だそうです。

沢田公民館です。
屋根雪が凄いことになっています。
屋根の一部が潰れてしまっているようでした。

公民館の向かい。
沢田神明宮、到着です。

訪れる前日、ネットで沢田ろうそくまつりの開催について調べていると、JA相馬村の広報誌にこのような記述を見つけました。
☞ JA相馬村 広報誌 りんごの森 2023年1月号・Vol.486中止のお知らせ 第15回 沢田ろうそくまつり
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、令和5年2月5日に実施を予定しておりました『第15回沢田ろうそくまつり』は昨年に続き中止し、個人参拝のみ執り行うこととなりました。
当日は小規模ではありますが、境内及び参道を雪明りろうそくで照らすこととしております。
午後1時頃から、岩谷堂への参道に雪階段づくりを行いますので、作業可能なかたはぜひ、ご協力をお願いいたします。
また、参道の雪明りろうそくは例年より数を増やす予定です。
華やかなまつりとはなりませんが、ぜひ夕方、ろうそくを持ってご参拝にお越しください。
今まで何度も撮影させてもらっているので、今回は雪階段づくりを手伝うことにしました。
当日ご一緒した方、この記事をお読みになっても、わたしの素性は内密に願います。
生活改善センターの軒天井が穴だらけです。
これは、キツツキの仕業でしょう。

雪に埋もれた、沢田神明宮の参道です。

集まった人数は少なめ。
大変な作業になりそうですが、まあ何とかなるでしょう。

除雪機が登場しました。
平らな所はこれに任せましょう。

雪藪を漕いで、参道を登ります。

柔らかい雪を踏み固め、スコップを使い手作業で階段を作ります。

お年寄りでも安全に参拝できるように、手がけたからにはできる最善を尽くします。

一時間ほどで形になってきました。

小休止の後は、仕上げと装飾です。

雪明りろうそくの飾り付けです。
子供たちは、雪山から滑り降りて遊んでいます。
子供たちの賑やかな声を聞いて、元気をもらえた気がします。

準備が整いました。

ろうそくを奉納します。

本来のろうそくまつりでは暗くなってから奉納するはずですが、今回は早めに始めるようです。

参道に並べられた、雪明りろうそくです。

ろうそくに火を灯し、願いを込めて奉納しました。
来年は普通に祭ができますように。

拝殿に参拝しました。

次々にろうそくが立てられていきます。

願いが叶うと良いですね。

大正12年に奉納された小さな狛犬は、今年も炙られていました。

準備をした方々が戻っていきます。
明るいうちに、わたしも帰ります。

岩谷堂の窓の向こうに、ゆらめく炎が見えました。

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